2012年6月5日火曜日

音楽そして歴史散策:So-netブログ


前々回はテナー・サックスの巨匠Sonny Rollinsを取り上げさせていただきしたが、ロリンズというと、やはり偉大なるインプロヴァイザーとしての姿が思い浮かぶのでは思います。

そのインプロヴァイズの素晴らしさというと、ロリンズ共に脳裏に浮かんでくるのがこの人。

それは、ロリンズと同様、白人ジャズ全盛の1950年代初めに登場し、ロリンズと並びジャズの覇権を黒人に取り戻すに大きな功績を残したトランペッターのClifford Brown。

このクリフォード・ブラウンという人、その活躍は1956年6月、その全盛期にペンシルベニア・ターンパイクでの自動車事故で25歳の若さで他界するまでのわずかな期間でしたが、100年に一人の逸材いわれるほどの華麗なテクニックと、枯れることのない泉の如く湧き出てくる美しく歌心あふれるソロは、没後半世紀を経た今も多くのファンを魅了し続けているだけなく、今も多くのトランぺッターが彼を目標にしている偉大なるプレヤーなのです。

さて、50年代初め黒人達の手によって生まれたハード・バップジャズの黎明期、その音楽を牽引したブラウンとロリンズ、このバップの看板スター二人が同じバンドに在籍していたことがあったのです。

それは1955年の11月、ブラウンが在籍をしていたマックス・ローチとブ� �ウンのクインテットのサックス奏者ハロルド・ランド脱退の後釜として、ロリンズが加入したことによって実現します。
そして二人は、ブラウンの亡くなるまで共に活動を続けていたのでした。


バンドがプレイ何の曲を行進しない

ところで、この二人の天才インプロヴァイザーとドラムの巨匠マックス・ローチの組合わせによる演奏、「きっと素晴らしいに違いない、是非とも聴いてみたい」と思われるのではないかと思います。
この組合せによる演奏、"Sonny Rollins Plus 4"や"Clifford Brown & Max Raoch"といった代表作等で聴くことができますが、その内容は、

実はその評判、あまり芳しくないのです。

その原因、ここでのロリンズ、今一つパッとしない、ということあるのですが。

確かにロリンズ、このメンバーでの演奏かなり気合を入れ奮闘しているように聴こえるのですが、どうもそのソロ、メロディに滑らかさが欠けているうえ、時折とまどっているような印象さえ受けてしまうのです。

それに比べブラウンのソロ、豊かで美しい音色で高らかに歌い上げている。ロリンズが挑めば挑むほどその冴えは増していくという按配。

どうもロリンズ氏、その後、ジャズ史上における大傑作"Saxophone Colossus "をブラウンの死の直前に吹き込んでいることから考えると、ブラウンとのセッションでは、それに対抗しようと力みすぎてしまいそれが裏目に出てしまったというのがその理由のように思われるのです。

逆にいえば、ブラウンの才能がロリンズのそれを遥かに上回っていたいうことなのかもしれません。、

そこで そうした才能に溢れたブラウンのトランペット・プレー、今日はそれをお聴きいただこうと思い選んだ作品は、"Clifford Brown with Strings"


"作詞作曲ワークショップ"ヒント"ハウツー"

クリフォード・ブラウンの作品というとマックス・ローチとの双頭コンボでの"Study In Brown"や"Clifford Brown & Max Raoch"というブラウンの白熱したプレイを聴ける作品の方がいいのではないかという向きあるのではないかと思います。

しかし、この作品ストリングスがブラウンの艶やかで暖か味のあるトランペットの音色をさらに引き立て、ブラウン自身もそれぞれの歌に深い情感をこめ、歌の魅力を十二分に引き出し歌い上げている点、彼のトランペットの素晴らしさを知る上で欠かせないものとして、
さらには、この作品がその後に作られる他のジャズ・ミュージシャンのストリングス作品に大きな影響を与えたことから、選んでみることしたのです。

それでは、あの現代の名手ウィントン・マルサリスもブラウンに挑戦している曲、"Stardust"をまずは聴いてください。

ブラウンの凄さを知る上で、もう一つ。

それは、ブラウンが登場して間もなくのこと、当時彼が参加していた、ヴァイブ奏者のライオネル・ハンプトン率いるオーケストラのこと。


良い曲を書くには?

当時のこのオーケストラのメンバーを見ると、
まずブラウンの属するトランペット・セクションには、トップ・トランペットのブラウンをはじめ、後に美しいフリューゲルホーンで多くの名演を残した、アート・ファーマーや今やアメリカ音楽を代表する編曲家として活躍する、クィーンシー・ジョンズが。
サックス・セクションには名アルト奏者のジジ・グライスや、名曲"Five Spot After Dark"や"Whisper Not"の作曲家としても知られるテナー奏者のベニー・ゴルソンなど、その後のジャズ界を引っ張ることになる才能がひしめいていたのです。

そうしたメンバーの中、そこでもっとも注目を浴びていたのがクリフォード・ブラウンだったという事実。
このことからも、ブラウンが他の追随を許さない優れた資質の持ち主であったことがわかります。

それでは、続けて2曲、ブラウンの美しいトランぺットをお楽しみください。


ブラウニーの愛称で、いつも笑みを絶やさなかったとういクリフォード・ブラウン。
その暖かい人柄とその演奏は、今なお多くの人を魅了しに愛され続けている。
そしてその音楽の心は、ライオネル・ハンプトンの同僚達によって形を変えながら演奏されつつ、現代の若手ミュージシャンにも引き継がれている。

永遠の音楽を奏でた男、それがクリフォード・ブラウンではないかと思います。

Track listing
1."Yesterdays" (Otto Harbach, Jerome Kern)
2."Laura" (Johnny Mercer, David Raksin)
3."What's New?" (Johnny Burke, Bob Haggart)
4."Blue Moon" (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
5."Can't Help Lovin' Dat Man" (Oscar Hammerstein II, Kern)
6."Embraceable You" (George Gershwin, Ira Gershwin)
7."Willow Weep for Me" (Ann Ronell)
8."Memories of You" (Eubie Blake, Andy Razaf)
9."Smoke Gets in Your Eyes" (Harbach, Kern)
10."Portrait of Jenny" (Irving Burgie, Jessie Mae Robinson)
11."Where or When" (Hart, Rodgers)
12."Stardust" (Hoagy Carmichael, Mitchell Parish)

Personnel
Clifford Brown - trumpet
Richie Powell - piano
Max Roach - drums
George Morrow - double bass
Barry Galbraith - guitar
Neal Hefti - arranger, conductor
6 violins, 2 violas, 1 violoncello

Recorded
January 18–20, 1955



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