2012年1月19日木曜日

ロンドンビジネススクール留学記

今年も宜しくお願いいたします。

さて、なかなか更新できない当ブログですが、時間的都合よりもやはりインプットの問題かなという気もします。「ネタ」がないのに書くほどのモチベーションも沸かない、というか。でも年頭なので去年やったことの所感を書き散らしつつ、今年やりたいことに触れてみたいと思います。

昨年は夏にMBAをとりまして帰国しました。で、留学前の会社に戻って今は経営企画のお仕事をしています。とりあえず本当にやりたいことのつなぎの日銭稼ぎとして、のつもりだったんですが今の仕事がかなり面白い。直接の上司ではないものの、実質的に取り仕切っている方(50代)が Insightful というか、周囲と考えていることのレベルが違うと言うか・・・大組織の"経営"という業務経験を積ませてもらいました。

1.トップダウンの思考

手垢のついた言葉ではありますがこれが昨年仕事を通じて学んだ第一のことかと。踊る大捜査線に象徴されるように、日本は「現場信仰」の強い国なのかなぁ、という印象があります。片や西欧はリーダーシップ重視。

日本の会社経営でよくあるパターンは、経営トップが「現場の為に」と言い、現場社員が「それだと現場がまわりません」と言うと大抵の主張は通る。実際経営者が現場社員におんぶに抱っこなのは一面の真実ですし、波風立てずにやるのなら仕事サボって下にやらせとけばいいわけです。

ですがやっぱりそれって、「現場の視点」でしかない。乱暴にまとめると、ボトムアップ意見の集合体は現状維持に限りなく近いのです。個々の意見にはラディカルなものもありますが。もちろん、経営層の持っている情報と現場の情報に非対称性もあるので、思考方法の差だけでもありません。

経営が順調なときはボトムアップ運営でよいでしょう。でも、事業構造の大きな変革はそれではできない。件のリーダーの方に言わせると「俺達は経営会議のスタッフなんだから、ボードメンバーだけを見ていればいい」ということになります。これだけ聞くと、"現場を無視する頭でっかちで傲慢な人達"だと思われそうですが、背後にはこういう問題意識があります。

2.NPO活動と組織

仕事はそんな感じでしたが、プライベートではちょこまかNPOのお手伝いや被災地でボランティアやったりしてました。で、奇しくも仕事と似通った感想を抱いたのが組織運営の大切さ。結局NPOだろうが、会社だろうが、複数の人間を束ねて何かをやらなければならない、という点では何も違いはないのです。

例えば被災地のボランティア。「被災者の為に何かをやろう」と思っても、我々に何ができるでしょうか。僕は仙台に行って、ボランティアセンターで具体的なミッションを与えられる。仕事内容、派遣先、道具まで支給。作業所への移動手段も提供されます(流されてきた自転車だったり、バスだったり)。そこまでいって、初めて"何かやろう"が"これをやろう"に変換できる。

教育関係のNPOを手伝ったんですが、状況は同じ。その組織には若いけど非常にカリスマ性のあるリーダーがいます。この人の言っているとおりやれば何かできるんじゃないか、Make it better place になるんじゃないか、という気がしてくる。僕が協力したのもその点が大きいのですが、どうしても組織運営としては未熟な所が多い。そうなると、せっかく大勢の人や多少なりとも資金が集まっているのに、無駄が多くなるんですよね。

個々のスタッフの状況に応じた適格なミッションも与えられないので、せっかく集まったスタッフが離れてしまうということもよく起こる。僕もフルタイムでコミットできませんし、責任も取れない立場なので、あまり口出しはしてないのですが。やはりビジョンだけでも、カリスマ性だけでも、オペレーション業務をやるスタッフだけでもダメなんですよね。それを組織行動に仕立て上げる方法論とやったことのある人達がいないと。

3.今年の活動計画

仕事の方は結構ペースが掴めてきましたし、長期/短期ともに具体的な目標がみえているので、これを Work Life Balanace を保ちつつ実現する。

プライベートの時間を少しとって、何か自分でイニシアチブをとれる社会貢献活動をやりたいなぁ、という気がしてます。こちらはまだ具体的なアイディアになっていませんが。ひとつ考えるヒントになったのは、去年やった障害者雇用の企画。

日本企業は一定の条件のもとに全従業員の1.8%まで障害者を雇用しなければならないことになっているんですよね。人数が足りないと一人あたり5万円の罰金を払わなければならない。たまたまそういうのに関わっている友人ができたので、うまく自分の会社の企画に仕上げることができました。

こんときは自分の部署が部署だけに情報を集めるのも楽でしたし、担当者を探すのスムーズ。まだ企画段階ですが、これで障害者の雇用が実現すれば、自分の会社にとっても、社会的にも異議のあることになるはずです。

なんかこういう具合に、他人の活動のパーツをお手伝いするよりも、自分が今持っている資源の有効活用方法を自分で考えたほうが、社会的に還元できる付加価値は高いのかな、という気がしています。

てな感じでしょうか。何はともあれ、今年1年引き続き宜しくお願いします。

P.S. 自分が今の部署に所属できたのは、MBAのシグナリング効果のおかげといっても過言ではないでしょう。「そういうことをやりたくて、自分で勉強したというのなら、いっちょやらせてみよう」という具合になりましたので。あと、勉強したこともまさに今の仕事に活きてます。周りをみてると、こういうケースはレアケースみたいですけどね。

MBA受験生はセカンドラウンドの出願のギリギリのタイミングでしょうか?昨今は日本人採用が絞られているみたいで厳しいでしょうが、まぁとりあえずここは歯を食いしばって頑張るしかないですよね。LBSに関するご質問があればいつでもご連絡ください。

あ、ブログ引越ししなきゃな・・・

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